ぼんじーあ!ブラジルで動画サブスクサービス漬けの生活を送っているぴょんぴょ子です!
今回は、人気動画配信サービス『Netflix』のオリジナル動画コンテンツで、ブラジルを様々な角度から垣間見ることができる番組をご紹介します。昨年、下記記事でご紹介した作品以外をまとめた第2弾です!
前回に引き続き、ブラジル大好き民が観て楽しめるのはもちろんのこと、ディープなブラジルへの探究心があってもなくても純粋にエンターテイメントとして面白い作品を極力中心に選出しました。
また、全作品日本語字幕付きです。
作品を通じて、一緒にブラジルを覗きに行きましょう!!
※Netflixの作品、ないしNetflix限定配信の作品のみのご紹介です。『シティ・オブ・ゴッド』などのブラジルを舞台にした他の有名作品は、ぴょんぴょ子が紹介するまでもないので、割愛します。
1.インビジブルシティ
ミステリー兼ファンタジー系のドラマです。
足が前後逆についたお化けクルピーラ(Curupira)や、一つ足の悪戯好きなサッシ・ペレレ(Saci-Perê)など、ブラジル人なら誰でも知っている民話のキャラクターがたくさん登場します。民話を知らなくても、ドラマの中で彼らの特徴が描かれており、ストーリーを楽しみながらブラジルの民話の概要を把握することができるので、一石二鳥のドラマです。
ブラジルは、先住民、アフリカ系、ヨーロッパ系の文化が混じっており、それが民話にも現れているので日本の民話とはまた違って面白いです。口承文学である為、広大なブラジルだと国内でも内容が若干異なるバージョンがあるそうで、このドラマで取り扱われたのはそのうちの1つでしかありません。興味を持った方は、異なるVer.を調べてみても面白いかも。
2021年にスタートしましたが既に続編の配信も予定されており、今後の展開も期待出来そうです。
2.シントニア
幼馴染の3人組のフィクションドラマです。
主人公がスラム街(コムニダージ / comunidade ※作中ではファヴェーラ / favela)発祥のブラジリアンファンク(ポルトガル語発音でファンキ)で成功するまでの道のりがメインですが、幼馴染の友人に宗教心が芽生えていく様子や、ギャングの一員として悪に染まっていく過程も映し出されます。
ブラジルはキリスト教信者の割合が多く占める国。スラムにも教会はあり、貧しいながらも献金をし足繁く教会に通い祈りを捧げる熱心な信者もいます(劇中に登場する教会はプロテスタントのペンテコステ派)。そしてそんなスラムは犯罪の温床とも言われるくらいギャングとの結びつきも強いと言われているのです。
殺人を犯しながらも「神よ、守りたまえ」「神の御加護を」なんて願うマフィアの姿が描かれたりもして違和感を感じずにはいられません。が、平和な立場から客観的に見たらそれが矛盾でも、死体を見かけても友人が殺人を犯しても驚かないような日々を送っている彼らは、自分に都合よく解釈して生きていかなければ、まともな精神状態を保っていけないのかもしれない。そんな地を発祥とし根付いている音楽やダンス “ファンキ”が、アメリカンドリームを叶える手段のようにも映り、現代ブラジルらしい要素が詰まっているように思います(ファンキは昔こそ低所得者層の音楽とされていたものの、今ではファンキを中心とした音楽レーベル『KondZilla』のYoutubeチャンネルが21年1月時点で登録者数がブラジル国内で1位、世界ランキングで10位の勢いがある程、人気は上昇中)。
とはいえ、ぴょんぴょ子自身はキリスト教徒でも無く、身の回りにファンケイロもマフィアもおらず、ましてやファヴェーラにも住んだことがないので、どこまでがリアルらしい話なのかは正確にはわかりません。ただ、ドラマの制作はKondZillaによるものなので、大筋ノンフィクションに近いストーリーなのでは、と感じます。
ブラジル人でさえも知らないような現代スラングが使われている(ファンキの歌詞では目にするかも)ので、ポルトガル語日常会話の勉強用としての鑑賞には他の作品を選ぶのをお勧めします。
ちなみにこのドラマの主人公を演じるジョータペー(Jottapê)君は、サンパウロ育ちの子役上がりで、現在は実際にファンケイロ MC Jottapêとして活動もしています。KondZillaの公式チャンネルからJP君のMVが配信されていますが、中には1億回以上もの再生回数を稼いでいる動画もあるので気になる方はチェックしてみてください。
ブラジルの子供向け長編ドラマ『Chiquitita』2015年版の第218話から子役時代のジョタペー君が登場するのですが、その頃と比べるとシントニアでの演技はめちゃくちゃ上手に感じます(何様)。
ストーリー自体はシーズン1で完結したようにも見えますが、2021年10月末からシーズン2が配信されるそうです。シーズン1で撒かれまくってる伏線が回収されそうですね。
ファンキの歌詞で頻出の“Sentar”の意味についてはコチラをご参照ください↓
3.GO!アニッタ
ブラジルの人気歌手を追ったドキュメンタリードラマ。
ブラジルの人気歌手の裏側を見れる他、ブラジルにおけるファンキの立ち位置をアニッタのインタビューを通じて知ることができます。色んな意味で衝撃的な言動が見れて面白かったのですが、最後の最後にホロリとさせられるような感動的な場面もありました。
スターとして登りつめるまでの戦略や苦労も描かれており、ブラジル自体には興味ない人も楽しめると思います。
ちなみに、本作の最後に映るコンサートで飛んでいる野次のような声援、通称“PQPコール”(ぴょんぴょ子命名)についてはコチラの記事をご参照ください。
あと本作品の中でも出てきた曲CombatchyのMVをご参考までに↓。
4.今日もまたクリスマス・イブ
↑サムネのみご参考ください。動画全体は無関係です。
クリスマスが嫌いなブラジル人を描いたコメディフィクションドラマ。
ストーリー自体はがっつりフィクションですが、ベースとなるブラジルの一般家庭のクリスマスの様子がブラジルを知りたい人にはとっても参考になる材料として映っています。
南半球に位置するブラジルは、クリスマスの季節は真夏に当たります。汗をかきながらクリスマスプレゼントを買いに走る主人公の姿だけでもブラジルっぽいなーと思わされます。クリスマスを家族と過ごしたり、ブラジルのクリスマスディナーがテーブルに並んでいる光景など、日本とは異なるクリスマスの祝い方を目にすることができます。
ラストにはウルっとするシーンもあり、ドラマとして家族みんなで楽しめる面白い作品です。クリスマスシーズンに観る映画が毎年マンネリ化している方もそうでない方も、今年は是非本作を手に取ってみてはいかがでしょうか。
5.ペレ:レジェンド、栄光のサッカー人生
ブラジル人の元サッカー選手ペレ氏のインタビューを交えたドキュメンタリー映画。
日本人からすると“ブラジルといえばサッカー”、との認識が少なからずあると思いますが、それはあながち間違ってはいません。W杯のブラジル戦がある日は休日になったりするほど、サッカー熱に溢れた国民が多い国であることは事実です。ブラジルがサッカーが強いことで有名になるのに一役買った人物こそ、1958年から1970年にかけて4度ものW杯にブラジル代表として出場し3度も優勝に導いたペレ氏なのです。
そんなペレ氏は現在も健在で、本作の中でインタビューに応じます。その内容が、ペレ元ブラジル代表の個人の歴史というより、ブラジルの近現代史におけるサッカーの立ち位置や当時の政治情勢に重きが当たっています。
ペレ氏の現役時代の後半は、ブラジルは軍によるクーデターによって誕生した独裁政権でした。この作品を通じて、軍政権化のブラジルの様子が写り、当時のブラジル国民が独裁政権に対しどのように感じていたのか(ネガティブに描かれています)、そしてその中でのサッカーがどのような存在だったのかを知ることができます。
国民の注目を最も浴びるサッカーが独裁政権に政治利用された、といった内容もありショッキングな映像も流れます。21年のブラジル現政権が独裁政権だとの声が上がる今、この映画も同様に、見た目はサッカー映画でも内容に政治的メッセージ(軍政権批判寄り)が込められているので、同じように国民をサッカーで政治的に煽動しているようにも見えた不思議な作品でした。
政治には興味が無くてもペレのミラクルゴールを観たいよって人は是非。逆も然り、サッカーには興味なくてもブラジルの近代史や政治を知りたいよって人も是非。
6.レッツ・カーニバル
サルバドールのカーニバルが舞台となるフィクションのコメディ映画。
正直な感想を言うと、ストーリー自体は面白くありません。ただ、このドラマでは、バイーア州のサルバドールのカーニバルの様子を見ることができるので、その点はとっても趣深いものです。
日本では多くの人が、「ブラジルのカーニバル」というとサンバを想像するのではないでしょうか。たしかに、カーニバル時期にリオやサンパウロのサンボドロモで行われるパレードはサンバですが、実は地域によって異なるのです。例えば、ペルナンブーコ州では重低音の強いマラカトゥや、金管楽器による演奏とダイナミックで俊敏なステップが印象的なフレーヴォによるパレードなどが繰り広げられます。
バイーア州の州都であるサルバドールでは、バンドやダンサーがトリオ・エレトリコ(Trio Elétrico)と呼ばれるトラックに乗り、エレクトリックで独特なリズムの音楽アシェ(Axé)を中心に演奏しながら移動します。そしてその周りを観客が一緒に踊り歌いながら並走する形で超密なパレードが行われるのです。そんなサルバドールの鬼密パレードの様子を観たい人は、この作品の後半を見てみてください!
7.潜入!世界の危険な刑務所 シーズン2第1話
世界の危険な刑務所を紹介するドキュメンタリー。
ブラジルの中でも特に危険とされている刑務所の紹介なので、一般的な刑務所の仕組みとは異なるのかもしれませんが、少なくとも刑務所の雰囲気や受刑者の様子を知ることができます。ブラジルの刑務所は資金上の問題で、スペース不足でも改修されることなく定員以上の囚人が収容されてしまう、なんて話をたまに耳にしますが、この刑務所もまた然りでその悲惨な様子を目の当たりにすることになります。
ブラジルでは誰もが知っているニ大犯罪組織“CV”や“PCC”のメンバーが多数収監されており、彼らの様子やインタビューを見ることができますが、想像していたよりも気さくで一般人のオーラが強く、逆にブラジルのどこにでも潜んでいる可能性があるな、という恐怖を感じさせてくれてしまった作品です。
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如何でしたか?
昨年紹介した作品と併せて、ガラナやカイピリーニャを片手に、ブラジルに浸ってみてください〜!
参考:https://www.insidermonkey.com/blog/top-10-most-subscribed-youtube-channels-heading-into-2021-912215/、
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