さわでぃーかー!タイ好き歴20年強、サンパウロ在住のぴょんぴょ子です。
今回は、2013年から2015年にかけて放映された、ナダオ・バンコク(นาดาวบางกอก)の社会派タイドラマ『Hormones วัยว้าวุ่น(ホルモンズ・ワイワーウン/ 以下Hormones)』シリーズについてご紹介します!
根っからのタイ沼勢の中には「ホルモンズなんて何を今更…」と思う方もいるかもしれません。
しかし!いまだ日本語字幕付きの映像が出回っておらず、このままでは大多数の日本人の目に止まらずに月日が経ってしまう、なんてことが起きかねないのです!
2021年4月4日に在京タイ王国大使館にて開催されるタイドラマフェスティバル2021(Thai Drama Festival2021)において、ナダオ・バンコク所属の俳優5人とのオンラインイベントがありますが、そのうちの3人(トー君、バンク君、スカイ君)はこの『Hormones』シリーズ出身の役者さんです!
「日本のタイ文化ブームが来ている今、ぴょんぴょ子の大好きなこのタイドラマも多くの人に観てもらいたい!」
故、ドラマについてがメインの【概要編】と、このドラマに出演した若手俳優・女優についてがメインの【役者編】と2部に分けてドラマの魅力をたっぷりご紹介します!!!
『Hormones』概要
『Hormones the Series』シーズン1〜3の概要を簡単にご紹介させて頂きます。
※出演者はシリーズ3作分合わせるとメインキャストだけでも多数に及ぶ為、上記にはシーズン1のメインキャストのみ記載しております。3作分のキャストは、別記事で追ってご紹介します。
そして、上記ではストーリーの紹介はだいぶ端折ってしまいましたが、次の項目でもう少し詳しくシーズン1のあらすじを載せたので、そちらをご覧ください。
『Hormones』あらすじ
シーズン1から3を通じて、バンコクの架空の高校、ナダオ・バンコク高校が舞台です。
シーズン1では、高校2年生(便宜上学年A)と1年生(便宜上学年B)の生徒がメインで描かれます。
シーズン2はシーズン1の翌年。学年A・Bの生徒達は学年が進み、それぞれ高校3年生と2年生として引き続きメインで登場し、新たに新入生(便宜上学年C)がサブキャラとして加わります。
シーズン3はシーズン2の翌年。学年Bは高校3年生、学年Cは2年生になりメインキャラとなります。残念ながら学年Aのメンバーは卒業となりほぼ出演しませんが、一方で、また新たに新入生(便宜上学年D)がサブキャラとして加わります。
ストーリーの土台となるシーズン1のあらすじを、がっつりネタバレにならない程度に以下にご紹介します。
※以下プチネタバレ含
このあらすじだけ見るとよくあるドラマに感じますが、ストーリー中に様々な社会問題を題材にしたテーマが織り込まれます。詳しくは次の項目で紹介します。
シーズン2、3の公式トレーラーはこちら☟
『Hormones』の特徴・ヒットの背景
2013年に放映されて以降、人気は鰻登りとなりました。スポンサーも回を重ねるごとに増えてき、メインキャラクターを演じた役者のメディア露出も増え、目に見えて人気が上がっているのがわかるほどでした。
では何故そこまで大ヒットしたのでしょうか?その答えのヒントともなる、『Hormones』の特徴をご紹介します。
特徴①オンライン配信されたドラマ
2013年というまだまだ動画のサブスクが流行りきる前の時代に、オンラインで配信されたドラマです。
今はネット配信ドラマが溢れる世の中ですが、当時はまだTVドラマが主流の時代で非常に画期的な試みであったにも関わらず、大ヒットしました。
このドラマがヒットした背景の一つに、配信直後にYoutubeでも無料配信されたことがあります。2021年現在のように当たり前にのように見たい時に見れる時代ではなかったので、オンタイムで見逃しても見れる作品は非常に貴重でした。人から勧められてからでも1話から観始めることができる為、口コミでどんどん視聴者が増えていったのです。
特徴②扱うテーマがセンセーショナル
このドラマの1番の特徴は、描かれているテーマがセンセーショナルな点です。
若者達の現状を描いている作品において、単なる友情や恋愛のありふれた物語で終わることなく、なかなかメディアでは触れられないようなセンシティブな内容や、タブー視されているような問題を取り扱っています。
例えば、1話目では、タイの学校では大半の学校が義務付けられている“制服着用”という規則について焦点が当たります。頭ごなしに規則を押し付ける教師陣に対して生徒達が集団ボイコットするのです。
タイでは当たり前のように存在している“制服着用のルール”に学生が意を唱える、というだけでもメッセージ性が強いのに、ルールを課す側も“伝統”や“習慣”という言葉を振りかざすだけで意図を考えておらず形骸化してしまっている姿や、目上の人が絶対的に偉いタイの価値観において生徒が先生に真正面から歯向かうというプチ革命的な行動が、視聴者を釘付けにしました。
ちなみに2020年12月、タイの一部の高校で、実際に制服反対デモが起きました。そのデモの様子を見て、7年前に放送されたこのドラマを思い出した人はぴょんぴょ子だけではないはずです。
以下、全3シーズンを通じて描かれた(ぴょんぴょ子が思い出せる限りの)テーマを挙げます。
日本の学園ドラマとして有名な『金八先生』シリーズや、若者の社会問題を描いているイギリスの学園ドラマ『Skins』シリーズ(お国の違いのせいか、日本人からするとかなりぶっ飛んでいるように見える青春ドラマです)でも、これらの内容を全ては網羅しきれてはいないのではないでしょうか?
少なくともタイではチャレンジングな内容のドラマでした。
特徴③映像がショッキング
特徴②で紹介したように、扱われるテーマがシリアスなものが多いこともあり、映像はショッキングなものが含まれます。
特にEp.1は、視聴者を増やす為なのか、冒頭から敢えて刺激的なシーンを盛り込んでいたのかもしれません。タイで少なからず生活したことがある人なら、ドラマをシーズン1のEp.1を観始めてからほんの数秒で「あ、これやべーやつだ」と思わせられます。
(プチネタバレになりますが、1番始めのシーンで全校生徒の朝礼の様子が流れます。皆が国家を斉唱する中、耳にイヤホンをさして音楽を聴きながら朝礼に参加する生徒が映るのです。教師陣への反抗的な態度というだけでなく、大袈裟に言うならば国王への反逆とも受け取られかねない生徒が描かれているのです。最近でこそデモなどで日本でもニュースになるほどですが、当時は不敬罪にあたる行為は今ほど大々的には行われていませんでした。)
その後も間髪入れずにショッキングなシーンが差し込まれ、見る側は斬新さを覚え、みるみるうちに引き込まれていくのです。
ショッキングな映像が含まれるドラマがヒットしてしまった為、ドラマ自体が社会問題として扱われてしまう、なんてこともありました。シーズン2のEp.1でそんな様子も描かれいます。
特徴④映画のようなハイクオリティ
実はこのドラマ、P’ヨン(พี่ย้ง)の愛称で親しまれているタイの有名な映画監督、ソンヨット・スックマークアナン監督が撮影したドラマなのです。ドラマが、映画館で観るような映像で観れるのです。
↑センターがヨン監督。役者に混じって制服を着てお茶目。
とっても私的な意見を挟みますが、2013年に『Hormones』シリーズを観るまでは、当時はタイのドラマを観ても心から観続けたいと思うのが難しかったんです。子供騙しのようなちゃっちいCGが含まれていたり、映像がブレていたり、画質が悪かったり、マイクにきちんと入っていないような音声があったり…(もしかしたらぴょんぴょ子が出くわした作品だけがそのような特徴を持っていたのかもしれませんが)。
そんな偏見を持ったままいざ見始めたので、『Hormones』の映像に驚きました。技術的な違いは正確には説明できませんが、素人でもわかるくらい、今まで見てきたドラマと違うアングル、カメラワーク、役者の演技で、とても魅せられる映像なのです。
ただタイのドラマあるあるの、ギャグ漫画のような効果音が聞こえたりするので、慣れるまでは要辛抱です。
特徴⑤役者勢がイケてる
高校が舞台のストーリーの為、メインキャストは皆若手の役者が務めています。
P’ヨンことソンヨット監督がCEOを務めるナダオ・バンコク(นาดาวบางกอก)に当時所属していた(or所属することになった)、20歳前後の実力派の俳優・女優陣が勢揃いしていました。
パティーちゃん(แพทตี้)やピーチ君(พีช)を始めとする、当時人気が沸騰中だった若手や、子役時代から注目されていたマイケル君(ไมเคิล)など、有名な俳優・女優が抜擢されたのです。
もちろん演技のレベルも高いですよ〜
配信前からファンの関心を寄せ、配信後にはストーリーとイケメン・美女揃いの配役でティーンを始めとする若者の心を鷲掴みにし、続編の制作が急遽決まるほどの大ヒットとなりました。
シーズン1がヒットしたことを受けて制作が決まった続編では、十万人規模での公開オーディションが行われ、タイ全土から選りすぐりのティーンがキャスティングされました。(その様子はYoutubeのオフィシャルチャンネルに上がっているので、興味のある方は是非覗いてみてください)
ちなみに選ばれたうちの1人がこちらの記事でご紹介したバンク君ことティティ・マハーヨーターラック君です(バンク君同様にタイドラマフェスティバル2021のオンラインイベントに参加予定のスカイ君や、同じく予定しているJJ君の実の彼女ターヌンちゃんも、このオーディションきっかけで役者デビューを果たしています)。他の新メンバーの人気も高く、今日でも多くのメンバーが現役の若手役者として活躍しています。
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ここまで特徴を説明してきましたが、「じゃあ一体どうやったら『Hormones』って観れるの?」という疑問に次の項でお答えします!
『Hormones』視聴方法
2021年2月現在、非常に残念ながら公式チャンネルがYoutubeに全編公開していた分は削除されてしまったようです。
タイでDVD BOXを仕入れるか、タイではLine TV(無料サービス)やNetflix Thailand等で公開されているので、タイにお住まいの方はそちらからご覧ください。タイ以外の国にお住まいの方は、合法な限りVPNを介してご鑑賞ください。
VPNを選ぶ際は、タイの番組が視聴できるサービスがおすすめで、ぴょんぴょ子のおすすめはノードVPNです。
NordVPNは、購入から30日以内に連絡すれば全額返金してくれる返金保証が付いているので、実際に使用してみてから30日以内に継続可否を決断するのがいいかもしれません。
ちなみにDVD BOXの初回限定版にはTシャツやポストカード(記事のトップの写真をご参考ください)が付いていました。
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如何でしたでしょうか?
少しでも『Hormones』の魅力が伝わったら幸いです!
百聞は一見に如かず、なので是非本編をご覧ください!
ぴょんぴょ子、リアルタイムで『Hormones』を観ていたが故に多少は贔屓目で見てしまっている面もあるかもしれませんが、当時はこのドラマは本当に斬新で大人気だったのです。
そしてキャストについても別記事で追ってご紹介して参りますので、是非 『Hormones』沼にハマり合い語らいましょう!
『Hormones』のヨン監督と主役級のメンバーが出演する、日本が舞台のドラマ『STAY Saga』についてはコチラも併せてご覧ください〜!
それでは、さわでぃーかー!
コメント
Hormones はまりました!
鑑賞前にブログを拝読させて頂き理解が深まっております。
BL好きですが、少し離れてこちらを夢中になって見ています。
高校時代は文化の違いはあるけれど、どの国も
同じだなぁと感じています。
タイ駐在を経験した、今でも年2回はタイに行っております。全てを理解している訳では無いですが、なるほど!と納得させられます!
>ばくさん
コメントに気が付かずお返事ができておらず失礼しました>< タイでのご駐在経験+年2回以上の訪泰という泰ツウの方にご覧いただけて嬉しく思います! またコメントまでありがとうございます!! Hormonesいいですよね〜!ハマりますよね! 青春時代の懐かしい気持ちになるシーンもあれば、タイだとこうなるのか!という面白さもあったり、ストーリーとしても観ていて飽きないですし、俳優勢の演技が上手で大好きな作品です。 BLももちろん素敵な作品が多いですが、BL以外のタイ作品も是非世界に広まってほしいものですˆˆ