【トンブリー】タイのポルトガル人居住区、クディヂン集落の見どころ

Thailand タイ

さわでぃー&ぼんじーあ!
タイとブラジルの虜、ぴょんぴょ子です!

先日、4年ぶりにタイ旅行へ行ってきました〜!
ブラジルはサンパウロに引っ越してからは初となるタイ旅行というわけで、タイでそれっぽい事をしてまいりました。それは、

バンコクにあるタイのポルトガル人居住区へ行くこと!

ブラジルはポルトガルの植民地になったこともあり強い結びつきがありますが、タイとポルトガルというと、あまりイメージがないですよね?

それが、バンコク都心部からチャオプラヤー川を渡った先のトンブリー区にあるのです!!

今回は、タイのポルトガル人居住区としても知られるクディヂン集落について実際に訪れた際の様子も含めてご紹介します!!

タイのポルトガル人居住区とは

今回ご紹介するタイのポルトガル人居住区(コミュニティ)とは、トンブリー朝時代(1767年〜)に誕生したポルトガル人やポルトガル系の人々が暮らしていた/いる場所のことをさします。

位置としては、バンコクの西側、チャオプラヤー川を渡った先のトンブリー地区の一画にあるクディヂン集落のあたり。(クディヂン地区とかカディヂン旧市街とか色々表現方法があるけれど今回はクディヂン集落で統一しております)

「なぜこんなところに?」、「どうしてポルトガル人が?」と疑問に思うかもしれませんが、その答えは歴史を遡ると見えてきます。

ポルトガル人居住区の歴史

実はポルトガルは、タイにとっては初めて接触したとされる欧米の国。

1500年にポルトガルがブラジルを “発見” してから11年後、ポルトガル人は当時はアユタヤ朝時代のタイに到着。ポルトガル人に対し、居住と通称の権利が認められたとされています。(山田長政で有名なアユタヤにある日本人村跡地の博物館にも、ポルトガル人との交易のことがちょこっと紹介されていたので気になる方はそちらも是非)。

その当時タイに移り住んだポルトガル人の生活基盤は、今回ご紹介するポルトガル人居住区から、チャオプラヤ川を北へ登ったところにある現在のアユタヤのあたりにありました。

タイに移住したポルトガル人やその子孫は、サイアム・ポルトガル人と呼ばれていました。

諸外国との貿易が盛んだったアユタヤでは、移住したポルトガル人男性と現地のタイ女性の結婚はもちろんのこと、日本をはじめとする諸外国から移住してきた外国人や、彼らとタイ人との間に生まれた子孫などとの混血児も多くいた模様。
そんな中で、ポルトガル人の血を受け継ぐ者は大括りに「サイアム・ポルトガル人」とされていたようです。

ポルトガルとの交易が始まってから約250年後、2度に渡るミャンマー軍の侵攻によりアユタヤ朝が陥落。
1767年、チャオプラヤー川を南下する形で生き延びた勢力のタークシンが王を名乗り、トンブリーに王朝を建てます。

トンブリー朝タークシン王は1768年、共に戦ったサイアム・ポルトガル人傭兵に対し、生活拠点としてこのグディヂン運河の南東部分を与えたのがポルトガル人居住区の始まりなのだそう(諸説あります)。

☝︎クディヂン博物館にあった資料。ピンクで塗られた一画がポルトガル人居住区

当時のポルトガル人居住区の名前は「ムーバーン・メープラルークプラカム(หมูบ้านแม่พระลูกประคำ)」、ポルトガル語で「Bandel de Nossa Senhora do Rosário」と呼ばれていたようです。無理やり日本語っぽくするなら、「聖母ロザリー村」でしょうか。

これが徐々にムーバーン・クディヂン(クディヂン村)へと呼び名が変化し、このクディヂン村のサイアム・ポルトガル人はファラン・クディヂンと呼ばれるようになっていったんだとか。

その後も現カンボジアのあたりからのポルトガル系の避難民がクディヂン集落周辺へ移住し、サイアム・ポルトガル人コミュニティは徐々に拡大していきます。

現在のポルトガル人居住区には、ポルトガル人の血が濃く表れている住人の数こそ減っているものの、今でもポルトガル人の当時の生活スタイルがわかるような博物館や食文化が残っています。

クディヂン集落とは

そんなポルトガル人居住区があるクディヂン集落とは、一体どんな場所なのでしょう。

クディヂン集落の場所

場所としてはバンコク西部にあるトンブリー区の一画。

チャオプラヤー川と結ぶグディヂン運河周辺を指します(上述の写真をご参考)。

☝︎右側がチャオプラヤー川、左側がクディヂン集落。ちなみに写真中央付近の細長い建物は『暁の寺』で有名なワット・アルン。

クディヂンの名前の意味

クディヂンまたはカディヂンと呼ばれるこの集落(旧市街)は、タイ語の発音的には「グディヂーン」とか「ガディヂーン」と聞こえます。

グディ(またはカディ)とはざっくり礼拝所のような宗教儀式を執り行う場所を意味し、ヂーンとは中国を意味する言葉。

「なんでヂーン(中国)?」と思いますよね。
それはこのクディヂン集落に、ヂーンのクディ(中華系の宗教施設)が建てられたことからこの名が着いたとの説があります。

☝︎カディヂーンと書かれた文字の下に描かれているのが中華系の宗教施設。

この中華系の宗教施設は今でも存在する観光スポットの一つで『サーンヂャオ・キアンアンケン(キアンアンケン中華廟)』と呼ばれています。(後述)

クディヂン集落は人種のるつぼ

トンブリー王がアユタヤからのポルトガル人傭兵に対し、クディヂン運河より南東側を与えたのが1768年。
その1年前の1767年、同じくトンブリー王はアユタヤからの中華系民族に対し、クディヂン運河より北西側への定住を認めていました。

その後も交易の中心となったトンブリー地区には多くの外国人が訪れ、クディヂン地区にもイスラム系商人やユワン人、他の欧米諸国の人々など、様々な国や文化圏から拠点を構え始めたといいます。

現在もこのクディヂン集落には、様々なルーツや文化をもつ人々が共存。
一つの集落の中に、仏教徒の割合が国民の9割を超えるタイなのでお寺があるのはもちろんのこと、お寺以外に教会、中華廟、モスクが乱立する、非常に珍しい場所なのです。

クディヂン集落への行き方

バンコク中心部からクディヂン集落への行き方として、公共交通機関を使用する場合はが一番便利。

パーククローンタラート港からチャオプラヤー川を船で対岸のワットカンヤーンミット港まで渡るだけでクディヂン集落へ到着します。
パーククローンタラート港へは、地下鉄(MRT)のSanam Chai駅から徒歩で約3分です

船での行き方

Step1: 地下鉄(MRT)Sanam Chai駅から徒歩でPak Khlong Talat港へ
Step2: パーククローンタラート港から船でWat Kanlayanamit港へ

もし船を利用するのに抵抗がある場合は、少し遠回りにはなりますが、上述のSanam Chai駅から少し離れたところにある橋を使用して徒歩(約15分)でも辿り着けます。

もしくは、トンブリー側にある地下鉄Itsaraphap駅からでも徒歩(約15分)で着けます。

電車での行き方

方法1: 地下鉄(MRT)Sanam Chai駅から徒歩約15分
方法2: 地下鉄(MRT)Itsaraphap駅から徒歩約15分

車でも行けないわけではありませんが、集落の中は非常に道が狭く、車が走れるスペースがほとんどありません。
なので、例えば集落の中でも比較的外側に位置した、車が走れる通りに面した学校(Santa Cruz Convent)あたりで乗り降りするのがいいかと。

クディヂン集落のおすすめスポット

多様な異国の文化が混ざり合う不思議な地・クディヂン集落には見どころがたーっくさんありました!

ポルトガル人居住区らしさが現れてるスポットと、その他の異国の文化が反映されているスポットとを分けてご紹介します!

ポルトガルを感じる場所

まずは今回の旅のメインである「ポルトガル人居住区」の名残を見ていきましょう。

上述の通り、ポルトガル人居住区はクディヂン集落の中の、クディヂン運河より南東側。
全部歩いて回れる範囲内にあり、むしろ徒歩以外の移動手段がないので、暑さ対策はお忘れずに。

バーンクディチン博物館

無料で入場できる博物館兼カフェ。

2階建で、上階ではタイとポルトガルからの移民について、歴史や文化、生活などの展示がされています。

ミュージアム入ってすぐ、青と白のアズレージョ(タイル)がポルトガル感満載です。

こちらで紹介されていた内容なども含め、タイとポルトガルの関係について他記事にて別途他の記事でもご紹介していますのでお時間あればお付き合いください☟

1階部分はポルトガル関連のお土産コーナーがある他、広々としたカフェとなっているので、博物館を見学した後にゆっくり休むのに便利。

พิพิธภัณฑ์บ้านกุฎีจีน

住所:271 Tedsaban, Tessaban Sai 1 Rd Wat Kanlaya, Thon Buri, Bangkok 10600 タイ
営業日:火〜日 9:30-17:30

サンタ・クルス教会

1770年ごろに建てられた教会。
タイにある最古のカトリック教会の一つとされています。

ネオ・ルネサンス様式で、赤いドームはイタリアのフィレンツェ大聖堂のドームに似ているような気も。

タイミングが合えば、中も見学できるようです。

☝︎教会とヤシの木の組み合わせ、ブラジルでもよく見かけますがここはタイです

完成当初は木造だったのが火災で焼失し、ラーマ6世時代の1916年にレンガで再建されたのが現在の姿なんだとか。

วัดซางตาครู้ส กุฎีจีน

住所:112 Soi Kudeejeen, Wat Kanlaya, Thon Buri, Bangkok 10600 タイ

ポルトガル・サイアム料理店

このクディヂン地区には、ポルトガル人居住区ならではの食を楽しむことができます。

当時手に入った限られた材料で母国ポルトガルの味を試行錯誤で再現した結果、独特のメニュー誕生したとされています。

このようなサイアム・ポルトガル料理(クディヂン料理とも)については別記事にてもう少し詳しくご紹介します☟

pyonpyoco.com/blog/5580/

そんなクディヂン料理を味わえるレストランやカフェが数軒あります。
こちらでは実際に伺ったお店をチラッと紹介しますね!

バーン・サクルトン

サイアム・ポルトガル料理をコースで楽しめるレストラン。

GoogleMapだとサクルトンハウスって出てきたのですが、タイ語発音だとサクトン。

コースは2種類。事前予約必須

オーナーさんが1品ずつ丁寧に料理の説明をしてくれるので、とても勉強になりました。

前菜としてサイアム・ポルトガル料理が宮廷料理と一緒にサーブされるので、一度は食べてみる価値アリです。

ぴょんぴょ友Aちゃんが予約してくれたのですが、「日本人が行くよ」と伝えたところ店主が気を遣ってニンニクと唐辛子を控えめにしてくれちゃいました。もしリアルな味を楽しみたいのであれば言わない方がいいかもです。

บ้านสกุลทอง อาหารสยาม-โปรตุเกส กุฎีจีน

住所:219 Thetsaban Sai 1 Rd, แขวง วัดกัลยาณ์ Thon Buri, Bangkok 10600 タイ

カフェクディチン(CAF KUDEEJEEN)
暑すぎて写真の撮り方が雑すぎました、こーとーかー

2023年7月にオープンしたてホヤホヤのカフェ!

チャオプラヤー川沿いにあり、濃い緑色の外装が可愛らしいオシャレなカフェです。

クディヂン集落在住のファミリー経営のお店で、お店のウリはブレンドコーヒーですが、ちょっとしたサイアム・ポルトガル料理も、後述するクディヂンスイーツも楽しめます。

☝︎お店の看板メニュー、サイアム・ポルトガル料理の一つ「カノムヂーン・ゲーンガイクア」。是非撮って!と言っていただけました

ただ既にサクルトンハウスでたらふく食べた後に休憩がてら入ったので、料理は次回におあずけ。

コーヒーの甘い炭酸水割なんて実験的なメニュー(☝︎schweppesと一緒に写ってるやつ)もありましたが、暑い中クディヂン集落を歩き回った疲れた体に沁みました。。。!なんというか、クセになる味。ブラジルでも熱い地域とかで流行りそう。

オープンしたばかりだったので、お店にブラインドなどがなく直射日光がガンガン降り注ぐ、文字通りの意味での激アツカフェではあったのですが、店員さんはフレンドリーで雰囲気がとてもよい空間でした。

CAF KUDEEJEEN

住所:56 Soi Kudeejeen, Wat Kanlaya, Thon Buri, Bangkok 10600 タイ

クディヂン・スイーツ

タイには、ポルトガルから伝わったとされるスイーツが数多くあります。

pyonpyoco.com/blog/5664/

その中でもクディヂン集落でだけ食べられるのは、カノムファラン・クディヂン(カノム・ファランとも)!

直訳すると「ファラン・クディヂン(サイアム・ポルトガル人)のお菓子」や「クディヂン西洋菓子」を意味するカノム・ファラン・クディヂンは、いわゆるカップケーキのような焼き菓子です。

今でこそ一般的ですが、小麦粉と卵と砂糖という組み合わせは誕生当時のタイでは珍しいもの。
アユタヤ時代に伝わったポルトガル由来のスイーツが継承され、ちょっぴりアレンジが加わった伝統的なお菓子なんだとか。

ケーキの表面部分は中華系の影響も受けているそうで、レーズンなどのドライフルーツやファックチュアムヘン(オレンジピールの冬瓜バージョンのようなもの)などが埋め込まれている他、全体的にお砂糖がまぶされています。

現在のクディヂン集落では当時の製法が代々受け継がれており、集落内で販売しているお店も3つほどあります(ラーンメーパオ/ร้านหลานแม่เป้า、タヌーシン/ ร้านธนูสิงห์、パーアムパン/ร้านป้าอำพัน)。

ぴょんぴょ家はそのうちの1店『ラーンメーパオ』に訪れたのでご紹介します☟

ラーンメーパオ

小道を進んで行ったところにあるお店。

店頭にはカノム・ファラン・クディヂンをはじめとする欧米スタイルの焼き菓子がズラーッと並んでおり、呼び鈴で店員さんを呼ぶスタイル。

カノム・クディヂンは個包装のものと、Sサイズの4個入りのものと2種類ありました。

ベーキングパウダーやイーストなどは一切使われていないらしいのですが、中は結構フワフワ系で、エアリーで軽め。
しっとり感はゼロなので口の中の水分は持っていかれます。
表面に砂糖がまぶされているので、ザクザクした食感も楽しめました。

味としては現代では極々一般的な西洋菓子といった感じなので概ねサプライズ感はゼロなのですが、そこまで甘くなかった点だけは想定外でした。普通に美味しいです。

是非、「これ、当時のタイでは画期的なスイーツだったんだよな〜」と歴史に思いを馳せながらムシャムシャ食べてみてください。

ร้านขนมฝรั่งกุฎีจีน หลานแม่เป้า

住所:382 Soi Wat Kanlaya, Wat Kanlaya, Thon Buri, Bangkok 10600 タイ

タイ、ポルトガル以外の国を感じる場所

ここまでポルトガル人居住区の名残がある場所を紹介してきました。

が、上述の通り、クディヂン集落はポルトガル意外の異国の文化も混じり合う珍しい場所なのです。

特にクディヂン集落の中でも、クディヂン運河とバンコク・ヤイ運河に囲まれた辺りは中華系コミュニティの色が濃く残っています。

ここからは、タイやポルトガル以外の文化が反映された場所をご紹介します。

ウィンザー・ハウス / プラプラゴープさんの家

ラーマ4世時代に、イギリスの商船の船長ルイス・ウィンザー氏が建てた家。

後にプラプラゴープ氏の家になったそうなので、タイ語だと「バーン・クンプラプラゴープ」とも呼ばれているようです。

タイ語で「ジンジャーブレッドの家」とも書かれており、てっきりお菓子やさんかと思いきや、外観のデザインがジンジャーブレッドに似てるからその愛称がついたんだと。

改修工事中なのか、周辺まで近寄ることができずで詳細はわかりませんでしたが、土台部分がガッツリ持ち上げられて高床式の家のような見た目になっていました。

ちなみにタイ沼民も大好きなICEくんやチャーノンくんも出演する映画『ブッペー・サンニワート(บุพเพสันนิวาส)2』にこのウィンザー・ハウスが登場します。

บ้านคุณพระประกอบ

住所:130 Soi Wat Kanlaya, Wat Kanlaya, Thon Buri, Bangkok 10600 タイ

キアンアンケン中華廟

トンブリーの中でも古いサーンヂャオの一つ。
(サーンヂャオとはタイ語で、英語でいうところのshrineにあたるもの。日本だと「神社」って表現されるけど、中華系のものだとなんて表現すればいいのかわからず、とりあえず中華廟と書いてみました)

クディヂン集落の名前の由来とも言われる場所です。

タークシン王時代に福建人によって建てられたとされていますが、正確な時期は不明。現在の姿は、19世紀のラーマ3世時代に再建された状態だとか。

ศาลเจ้าเกียนอันเกง

住所:230 Thetsaban Sai 1 Rd, Wat Kanlaya, Thon Buri, Bangkok 10600 タイ

バーンルアンモスク

クディヂン集落には仏教寺院も教会も中華廟だけでなく、モスクもあります。

ぴょんぴょ子は暑くて実際には行かなかったのですが、このバーンルアンモスク”について聞いたちょこっとご紹介します。

このモスクは1780年代ごろにムスリム商人によって建てられたとされています。
外観は白く塗られているらしく、世界で唯一のタイスタイルのモスクなのだとか。
Google mapで見る限りたしかに白色で、ところどころに差し色であるエメラルド色がおしゃれな雰囲気がでていました。

มัสยิดบางหลวง

住所:สถานอบรมศาสนาอิสลาม 151 Arun Amarin Rd, Wat Kanlaya, Thon Buri, Bangkok 10600 タイ

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以上、ポルトガル人居住区をはじめとするクディヂン集落の紹介・旅レポでした〜!

クディヂン集落は三島由紀夫の『暁の寺』でも有名なワットアルンの近くにあるので、ついでに立ち寄る程度でも楽しいかと!

ではでは、さわっでぃー!ちゃおTchau!

参考:https://thai.tourismthailand.org/Articles/เที่ยวชุมชนกุฎีจีน-ย้อนเวลา-เยือนย่านหลากวัฒนธรรม、https://th.trip.com/moments/detail/sraphang-1451466-14704755/、https://www.museumsiam.org/km-detail.php?CID=16&CONID=3320,https://baankudichinmuseum.com、https://spacebar.th/culture/Real-Cubicle-Chinese-In-Thailand

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